目的
藤白神社は、熊野九十九王子の中でも別格とされた五体王子藤白王子跡で、平安時代末期に熊野から移り住んだ鈴木氏が全国に熊野信仰を流布する拠点としたところである。平成27年(2015)に藤白坂などとともに藤白王子跡として国史跡に指定され、平成29年(2017)に「絶景の宝庫和歌の浦」の構成要素として日本遺産に認定された。藤白神社には、熊野路に唯一残るといわれる「熊野三山本地仏坐像」や令和5年3月末に修復・復元なった「鈴木屋敷」等、熊野信仰を背景とした藤白王子と藤白鈴木氏の歴史を現在に伝える文化財が多く遺されている。国史跡藤白王子跡をミュージアム化することにより、所蔵する文化財の調査・研究によって導き出せる藤白王子跡の史実を明確にする。それらの文化財を公開・展示し、持続可能な維持管理と活用を通して一地域に残る小さな歴史の光を絶やすことなく次世代に継承する核となすために「藤白王子跡ミュージアム」を設立する。
このような目的のために、藤白神社が所有する資料の調査・研究、その成果としての展覧会の開催などを博物館活動の柱として、一宗教法人が運営する「藤白王子跡ミュージアム」の特化した魅力を広く伝えるよう努力する。
収集・保管
・藤白王子跡の歴史を明らかにするために必要な資料の収集・整理に努める。
・資料の保存環境を良好に維持する。
・資料のデータ化して保存する。
展示
・第一展示室 鈴木屋敷
(展示物)
藤白鈴木氏系図(写)
掛軸「紀州宗家 大黒天」(秋田大町鈴木家13代当主鈴木重興)
屏風「熊野神垂迹縁起」(藤白鈴木家122代当主 鈴木三郎重吉)
・第二展示室 藤白王子権現堂
(展示物)
熊野三所権現本地仏坐像三躯(阿弥陀如来・薬師如来・千手観音菩薩)平安時代末期 県指定
十一面観音菩薩立像 平安時代末期 県指定
不動三尊像 鎌倉時代
毘沙門天像 鎌倉時代
熊野懐紙(写)後鳥羽院御宸翰他三幅
・第三展示室 東庁舎
(展示物)
狛犬 木製(檜) 鎌倉時代初期
旧庁舎柱 鎌倉時代
本殿再建棟札 江戸時代(寛文三年1663年)
獅子頭 江戸時代
・第四展示室 儀式殿
(展示物)
書(犬養孝)
虎図 (青木梅岳)
梅図 (青木梅岳)
開館時間
10時~16時(鈴木屋敷)
休館日
毎週月曜日・火曜日(ただし、祝日の場合は臨時開館)
年末年始(原則12月31日~1月3日)